阪神大震災28年

2023-01-17 (火)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 26 日>(先勝 乙亥 三碧木星) Anton Tony 第 3 週 第 27006 日

 

あの阪神大震災から28年もが過ぎたなんて、なかなか実感がわかない。1995年は、戦後50年といふ節目の年でもあったのだが、結果的には嫌な年であった。その前年の年末に、確か、大江健三郎さんがノーベル文学賞をおもらひになって、1995年は明るい年となる予感があったのだが、年が明けるとすぐに阪神大震災が起きて、大変な事になってしまった。地震のことはスウェーデンの新聞でもトップニュースで報道された。その後、3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件も起きた。そんなことが重なって、1995年はあまり良い年ではなかった。調べるとこの年の漢字は「震」とあった。この年に生まれた人も今はもう28歳にもなったかと思ふと、改めて驚いてしまふ。1990年には雲仙岳の噴火もあったが、この頃から日本の自然災害が増えた。もともと日本列島は4つの大陸プレートが押しあひ減し合ふ不安定な地盤の上にあると聞くが、近年の活動が活発化したのは1990年代からではないかと思ふ。ただ、もともと日本人は神代の昔から自然災害と付き合って来たのだ。津々浦々の明媚な風景も温泉も、火山活動の産物といふこともある。今に生きる我々の問題は、文明が発達し過ぎたことで、地震などが起きると災害が大きくなってしまふことだと思ふ。なるべく便利な生活にさよならすることを心がけ、非常時のために準備したものを普段でも使ってみるとか、災害に強い生活の仕方を模索すべきではないかと思ふ。

比較的暖かい冬で、ウサギさんも助かってるかもしれない。

 

鱈の養殖

2023-01-16 (月)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 25 日>(赤口 甲戌 二黒土星) Hjalmar Helmer 第 3 週 第 27005 日

 

鱈の養殖は可能なのかと思って、ネットで調べると、2015年に韓国で完全養殖が実現したといふ記事があった。それに先んじて 2012年には日本で養殖方法が確立されたとも書いてあった。けれども、いづれにしても費用が合はず、実用化はされてない様である。これはスケトウダラの話である。今日見た NyTeknik の記事によると、昨年の暮れにノルウエーで、鱈の養殖のパイロットプラントで育ててゐた鱈がほぼ全数死んだと書いてあった。およそ32,000 匹、一匹の重さは 1,5 キログラムといふから、種類としてはマダラなのかなと思ふ。それにしても、全滅の原因は何かと思って読んでみると、施設内で発生した硫化水素であると書いてあった。酸素の少ない水に汚泥が蓄積すると硫化水素が発生するものらしい。鮭の養殖についてはこれまでの技術があるのだが、その同じ技術が鱈にはそのまま援用できないものらしい。といふのも、鱈の養殖では水流を遅くせねばならず、このために硫化水素の発生を許してしまったとのこと。それにしても全数死亡するほどの大量の硫化水素が発生するものなのかと驚く。この様な失敗を経て、養殖技術は次第に洗練されていくものだと思ふ。世界の海でお魚が取れなくなるのではないかと心配されてゐる昨今であるが、どの国においても養殖技術を高めることは、将来のために非常に大事な開発テーマであると思ふ。

気温は今日もプラスで1月にしては暖かい日が続く。

 

庭木のイルミネーションをはづす

2023-01-15 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 24 日>(大安 癸酉 一白水星)下弦 Laura Lorentz 第 2 週 第 27004 日

 

一昨日の金曜日は Tjugondedag Jul と言って、クリスマスの日から数へて20日目にあたる日であった。クリスマスの飾りはもうはづす時期である。今日のお昼過ぎには、冬の日差しがわづかにさしたので、この時と思って、外の庭木にかけてあったイルミネーションもはづした。長く連なったLEDを先端からクルクルと巻き上げていく。しなやかな細い枝木が跳ねて露のしづくが顔にかかった。でも、それもまた気持ちが良い。イルミネーションをはづして小屋にしまふと、庭の枝木は寂しくなったが、一方でさっぱりした感じもあって、それはそれで悪くない。新しい季節のめぐりを感じた。

明るい午後のひとときがあった。

 

孫と遊ぶ日

2023-01-14 (土)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 23 日>(仏滅 壬申 九紫火星) Felix Felicia 第 2 週 第 27003 日

 

昨日は13日の金曜日、今日は仏滅と、縁起をかつぐ人にとってはあまり良くない日が続いた。気にしない人にとっては何でもないのだが、気にする人には、こんな日は欲望控へめで行かうといふ気になるかもしれない。人生といふものは結局のところ、身にわきおこる欲望とその抑制とを如何にバランスよく保つかといふことに尽きると思ふので、吉、凶とされる日が暦に現れることはさほど悪いことではない様にも思ふ。今日の土曜日は同居人と娘たちのところへ自動車で出かけた。あまり頻繁に行っては迷惑かなといふ気分もないではないのだが、同居人は孫と一緒に過ごすのが何よりの生き甲斐であるし、孫にとっては本気の遊び相手が来てくれて嬉しいし、その両親にとっては、子供から解放されて自分のことができる。「自分良し」「相手良し」「世間良し」の三方良しが小規模な形で実現するわけで、かつて近江商人がビジネス活動を展開した気持ちを思って、ストックホルムまでドライブするのである。僕自身は少し休ませてもらったり、自分なりのことができる。孫がゲームをしたいときは付き合ふ。ビデオゲームではなくて、アナログなゲームである。今日はピッピのすごろくと、パズルをやった。大きなピースで数も100枚程度のパズルが、一緒に遊ぶには適当なのである。夜少し遅くなって家に帰った。

どんよりと曇った一日。気温はプラスである。

 

卵の値上がり

2023-01-13 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 22 日>(先負 辛未 八白土星) Tjugondedag jul Knut 第 2 週 第 27002 日

 

毎日新聞のデジタル記事で、日本では卵が値上がりしてゐるといふニュースを見た。卵は「物価の優等生」と言はれるほど価格が安定してきたが、最近は鳥インフルが急拡大して、数多くの鶏が殺処分されたことが原因にあるらしい。品不足になって値上がりするばかりでなく、なかなか買へなくなる恐れもあるといふ。スウェーデンでも最近卵がニュースで取り上げられた。と言っても鳥インフルの影響ではなく、サルモネラ菌が見つかったことでスーパーの売り場から一部の卵が回収された。サルモネラ菌は消化管に生息し、食べ物を通じて拡散する。スウェーデンではサルモネラ菌に感染することは極めて少ないとされてゐて、年間に3000人ほどがかかるが、そのほとんどは外国で感染してくるものであるといふ。感染すると腹痛、下痢、発熱などの症状が出る。感染を予防するには、野菜をよくすすぎ、食べ物が熱くなるまで加熱すること。70°C以上に加熱するとサルモネラ菌は死ぬと言はれてゐる。日本人は生卵を食べる習慣があるが、こちらの人からは、「エッ」と驚かれることがある。僕らの町のスーパーでは、このニュースを聞いて心配して問ひ合わせて来た消費者もあるといふ。どうしても心配な人には、問題の卵であるかどうかを問はず、卵を引き取ってお金を返しますと言ってゐる。食品の安全もこれからの社会の大きな課題の一つになると思ふ。今日のブログは、日本の毎日新聞スウェーデンの Södermanlands Nyheter の、いづれも1月13日の記事を参考にして書いた。

雲の形がダイナミックな夕べ

 

Spisvakt

2023-01-12 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 21 日>(友引 庚午 七赤金星) Frideborg Fridolf 第 2 週 第 27001 日

 

僕らの住むアパートにはガスが来てないので、調理器具は電気コンロである。大小4つの電熱器がひとつの台にまとまってある。最近は物忘れがひどく、電熱器をつけたまま忘れてしまふリスクが高まったので、Spisvakt といふものを取り付ける事にした。電熱器のつけっぱなしを検出して警報を鳴らし、それでもつけっぱなしが続くと電源が遮断される装置である。去年の暮れ、認知症の相談に来てくれたコミューンの人と話し合った時にこれを取り付けることを希望して、その書類申請はスウェーデン語であるので娘が引き受けてくれて、我が家の台所に設置することが決まったのである。申請を出すと、不思議なくらいに話はトントンと進んで、今朝、その工事をする人が家に来て小一時間で設置してくれた。その製品や工事材料や施工にかかる費用などは全てコミューンが負担してくれるのである。その辺は、この国は今なを高福祉の国だなと感心する。ウクライナなどで、一月の寒い季節に電気も来ない辛い生活を余儀なくされる人もあると聞くその同じ時代に、同じヨーロッパに生活して、こんな福祉を受けられて申し訳ない気がする。一方では、世界的な気候変動で洪水も起こりやすくなってゐることがあちこちのニュースから感じられる。問題をたくさん抱へる現代社会は、自分たちさへ良ければそれで良いといふ問題では決してないと思ふが、どうしたら良いものか。申請書類さへ出して認められれば Spisvakt を取り付けてもらへるといふ、法律に守られ、秩序の中で暮らすことのできる安心は、ずっと続いてくれるのだらうかと、ふと不安になったりする。

散歩道の途中の教会

 

平家物語 巻第四 「南都牒状(なんとてうじやう)6」

2023-01-11 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 20 日>(先勝 己巳 六白金星) Jan Jannike 第 2 週 第 27000 日

 

<興福寺から園城寺への返事の手紙の続き>

 

我らは三井寺からは離れて遠い地にをりますが、その情けを感じるものです。清盛入道が猶狂気を起こして、貴寺を攻めやうとしてゐるらしい噂もお聞きしたので、すでに用意を致してあります。十八日午前八時に大衆を決起させ、諸寺に牒奏し、末寺に下知し、軍士を得て後、こちらから通知しやうとしてをりましたところに、貴寺からの使ひがありました。数日の鬱念は一時に解散しました。かの唐家清凉山の僧侶は猶武宗の官兵を帰しました。いはんや和国南北両門の衆徒が、どうして謀臣の邪類をはらひえないないことがありませうか。よく高倉の宮の左右の陣をかためて、我らの出発の知らせをお待ちください。状を察して疑ひ恐れてはなりません。もって牒す。

  治承四年五月二十一日      大衆等

 

と書かれてあった。

小寒といふ季節の割には暖かなこの頃である