2023-01-10 (火)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 19 日>(赤口 戊辰 五黄土星) Sigurd Sigbritt 第 2 週 第 26999 日
清盛入道は、勝ちに乗るあまり、去年の冬十一月には、後白河院のお住まゐを追ひ出し、関白を配流にしました。叛逆の甚だしいこと、まことに古今に類例がありません。その時、われらは、本来なら賊衆に体当たりしてでもその罪を問ふべきであったのですが、我々が神慮にはばかることもありましたし、時によって清盛は天皇の命令だと称することもありましたから、怏々とした心を抑へて日々を送りました。そんな状況の中で、重ねて軍兵ををこして、一院第二の親王宮をうちかこむところに、八幡宮に祭られた応神天皇、神功皇后、玉依姫の三神、春日の大明神、ひそかに影向をたれ、乗り物を差し上げて、貴寺に送りつけて、新羅明神の扉にお預けになりました。王法尽きるべきでないことは明らかです。従ってまた貴寺が身命を捨てて宮様をお守り申し上げること、人たるものの誰が随喜しないことがありませうか。