読書
2023-03-30 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 9 日>(仏滅 丁亥 三碧木星)Holger Holmfrid 第 13 週 第 27078 日 平家の侍どもは、あのにくい仕打ちをしてくれた競の瀧口を何としてでも生け捕りにしたいとうかがってゐた。けれども、競の方では相手のそんな気…
2023-03-29 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 8 日>(先負 丙戌 二黒土星)Jonas Jens 第 13 週 第 27077 日 源三位入道頼政は渡邊長七唱をめして、「我が頸うて」と言はれた。唱は主の生け首をうつことの悲しさに、涙をハラハラと流して「たうていできるとも…
2023-03-26 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 5 日>(赤口 癸未 八白土星)Emanuel 第 12 週 第 27074 日 三位入道は七十を過ぎてのいくさである。左足の膝に矢を受けて重傷を負った。心静かに自害せんとして、平等院の門のうちへひき退いた。そこへ敵が襲ひか…
2023-03-25 (土)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 4 日>(大安 壬午 七赤金星) Marie bebådelsedag 第 12 週 第 27073 日 これを見て、大将軍左兵衛督知盛は「わたせやわたせ」と下知された。それで二万八千余騎は、川に馬をうち入れて渡り出した。馬や人にせき止…
2023-03-23 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 2 日>(先負 庚辰 五黄土星) Gerda Gerd 第 12 週 第 27071 日 平家方の先発隊三百餘騎は全員水かさの増えた宇治河を無事に渡った。その行動を指揮した下野國の住人、足利又太郎忠綱は、朽葉の綾の直垂に、赤皮威…
2023-02-22 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 3 日>(仏滅 辛亥 三碧木星) Pia 第 8 週 第 27042 日 足利又太郎忠綱が真っ先に宇治川に入って行くと、上野國から大胡・大室・深須・山上、那波太郎、佐貫廣綱四郎大夫、下野國から小野寺禅師太郎、邊屋子の四郎…
2023-02-21 (火)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 2 日>(先負 庚戌 二黒土星) Fettisdagen Hilding 第 8 週 第 27041 日 浄妙房が渡ったのを手本にして、三井寺の大衆・渡邊党は走り続き走り続き、我も我もと行桁を渡った。敵の首を取って帰るもの、武器を奪って…
2023-02-20 (月)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 1 日>(友引 己酉 一白水星)新月 Vivianne 第 8 週 第 27040 日 ここに乗圓房の阿闍梨慶秀が召し使ってゐた一來法師といふ大ぢからの早業があった。浄妙房のすぐ後ろについて戦ったのだが、行き桁は狭いし、そば…
2023-02-19 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 29 日>(大安 戊申 九紫火星)雨水 Gabriella Ella 第 7 週 第 27039 日 続いて同衆の中から橋の上に現れたのは筒井の浄妙明秀である。黒みがかった藍色の直垂に黒皮威の鎧着て、しころが五枚ある甲の緒をしめ、黒…
2023-02-18 (土)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 28 日>(仏滅 丁未 八白土星) Frida Fritiof 第 7 週 第 27038 日 宮の御方からは、大矢の俊長、五智院の但馬、渡邊の省・授・続の源太が射ける矢は鎧にも引っかからず、盾にも遮られないで通るのだった。源三位…
2023-02-17 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 27 日>(先負 丙午 七赤金星) Alexandra Sandra 第 7 週 第 27037 日 高倉の宮は三井寺を去って南都へご出発になったが、宇治に着くまでの間に六度までも御落馬あった。これは昨夜お眠りになれなかったからだとい…
2023-02-03 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 13 日>(先勝 壬辰 二黒土星) Disa Hjördis 第 5 週 第 27023 日 平家物語巻第四の「大衆揃」に鶏鳴狗盗のエピソードが出てくる。百人一首に清少納言の歌として出てくることもあって、日本人にはよく知られた話で…
2023-02-02 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 12 日>(赤口 辛卯 一白水星) Kyndelsmässodagen 第 5 週 第 27022 日 コロナ禍で、僕は写経のかはりに平家物語を手で写しとる作業をやってゐる。気の向いた時に写すだけなので、なかなか先に進まないのだが、そ…
2023-02-01 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 11 日>(大安 庚寅 九紫火星) Max Maximilian 第 5 週 第 27021 日 高倉の宮は三井寺を去って、南都へご出発になるのであるけれども、老僧どもには皆いとまを賜って、寺にお残しになった。しかるべき若大衆悪僧ど…
2023-01-27 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 6 日>(赤口 乙酉 四緑木星) Göte Göta 第 4 週 第 27016 日 治承4年(1180年)5月23日の暁、高倉の宮は「三井寺の僧徒だけでは持ちこたへられないであらう。山門(比叡山)は頼りにならないし、南都(興福寺)の援…
2023-01-26 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 5 日>(大安 甲申 三碧木星) Bodil Boel 第 4 週 第 27015 日 大関・小関といふ路があった。大関は逢坂を経て京都に通じる路(逢坂は京阪京津線の大谷駅のあたりかも)、小関は山城国宇治郡四宮(京阪京津線の京…
2023-01-25 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 4 日>(仏滅 癸未 二黒土星) Paul Pål 第 4 週 第 27014 日 搦手に向かふ老僧どもの顔ぶれは以下の通りである、大将軍には、源三位入道頼政、乗圓房阿闍梨慶秀、律成房阿闍梨日胤、帥法印禅智、禅智の弟子義寳・…
2023-01-22 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 1 月 1 日>(先勝 庚辰 八白土星)新月 Vincent Viktor 第 3 週 第 27011 日 すると、乗圓房の阿闍梨慶秀といふ老僧が進み出た。衣の下に腹巻きをし、大きなる打ち刀を前垂れにさし、法師頭を包んで、白柄の大長刀を杖…
2023-01-21 (土)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 30 日>(大安 己卯 七赤金星) Agnes Agneta 第 3 週 第 27010 日 この三井寺の僧たちの議論の中に、一如房の阿闍梨眞海といふ人がゐた。以前何かの折に平家のために祈祷したことのある人物である。この人は弟子…
2023-01-20 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 29 日>(仏滅 戊寅 六白金星)大寒 Fabian Sebastian 第 3 週 第 27009 日 三井寺ではまた大衆が集まって会議を開いた。「山門(比叡山)は頼りにならないし、南都(興福寺)の援軍はまだ到着しない。ここでむざ…
2023-01-11 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 20 日>(先勝 己巳 六白金星) Jan Jannike 第 2 週 第 27000 日 <興福寺から園城寺への返事の手紙の続き> 我らは三井寺からは離れて遠い地にをりますが、その情けを感じるものです。清盛入道が猶狂気を起こして…
2023-01-10 (火)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 19 日>(赤口 戊辰 五黄土星) Sigurd Sigbritt 第 2 週 第 26999 日 <興福寺から園城寺への返事の手紙の続き> 清盛入道は、勝ちに乗るあまり、去年の冬十一月には、後白河院のお住まゐを追ひ出し、関白を配流に…
2023-01-09 (月)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 18 日>(大安 丁卯 四緑木星)成人の日 Gunnar Gunder 第 2 週 第 26998 日 <興福寺から園城寺への返事の手紙の続き> ところが去る平治元年十二月、後白河上皇が一度の戦争(平治の乱のこと)の功労に感心して並…
2023-01-08 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 17 日>(仏滅 丙寅 三碧木星) Erland 第 1 週 第 26997 日 さて、興福寺ではこの手紙を読んで早速に返事を書いた。それには次の様に書かれてあった。 興福寺から園城寺の寺務所にお手紙を差し上げます。 送られ…
2023-01-07 (土)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 16 日>(先負 乙丑 二黒土星)満月 August Augusta 第 1 週 第 26996 日 高倉の宮が突然に御身をお寄せになったものだから、三井寺の僧たちは驚き、発奮し、これを機会に平家を懲らしめやうと決意したけれども、…
2023-01-05 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 14 日>(先勝 癸亥 一白水星) Trettondagsafton Hanna Hannele 第 1 週 第 26994 日 比叡山の僧たちはこの手紙を受け取ると、「これはどういふことだ。三井寺と云へば当山の末寺ではないか。そんな分際でよくも…
2023-01-04 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 13 日>(赤口 壬戌 二黒土星) Punktskriftensdag Rut 第 1 週 第 26993 日 三井寺では貝の鐘を鳴らし、たくさんの僧たちが集まって会議をした。話し合った内容は次の様なものであった。「最近の世間の様子を眺め…
2022-12-09 (金)(令和4年壬寅)<旧暦 11 月 16 日>(友引 丙申 一白水星) Anna 第 49 週 第 26967 日 ちょうどその頃、三井寺では競の噂をしてゐた。渡辺党のものが「競を一緒に連れて来なかったのはまづかったんぢゃないか。六波羅に残り留まって、あいつ…
2022-12-08 (木)(令和4年壬寅)<旧暦 11 月 15 日>(先勝 乙未 二黒土星)満月 Virginia 第 49 週 第 26966 日 やがて、平家のお屋敷にもその日(治承4年(1180年)5月16日)が暮れかけた。大将である宗盛卿が出てこられた。競はかしこまって申し上げた。「三…
2022-12-07 (水)(令和4年壬寅)<旧暦 11 月 14 日>(赤口 甲午 三碧木星)大雪 Angela Angelika 第 49 週 第 26965 日 さて、その日(治承4年(1180年)5月16日)は早朝から高倉の宮が三井寺へ入られたが、その日も夜に入って、源三位入道頼政、嫡子伊豆守仲…