Spisvakt

2023-01-12 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 12 月 21 日>(友引 庚午 七赤金星) Frideborg Fridolf 第 2 週 第 27001 日

 

僕らの住むアパートにはガスが来てないので、調理器具は電気コンロである。大小4つの電熱器がひとつの台にまとまってある。最近は物忘れがひどく、電熱器をつけたまま忘れてしまふリスクが高まったので、Spisvakt といふものを取り付ける事にした。電熱器のつけっぱなしを検出して警報を鳴らし、それでもつけっぱなしが続くと電源が遮断される装置である。去年の暮れ、認知症の相談に来てくれたコミューンの人と話し合った時にこれを取り付けることを希望して、その書類申請はスウェーデン語であるので娘が引き受けてくれて、我が家の台所に設置することが決まったのである。申請を出すと、不思議なくらいに話はトントンと進んで、今朝、その工事をする人が家に来て小一時間で設置してくれた。その製品や工事材料や施工にかかる費用などは全てコミューンが負担してくれるのである。その辺は、この国は今なを高福祉の国だなと感心する。ウクライナなどで、一月の寒い季節に電気も来ない辛い生活を余儀なくされる人もあると聞くその同じ時代に、同じヨーロッパに生活して、こんな福祉を受けられて申し訳ない気がする。一方では、世界的な気候変動で洪水も起こりやすくなってゐることがあちこちのニュースから感じられる。問題をたくさん抱へる現代社会は、自分たちさへ良ければそれで良いといふ問題では決してないと思ふが、どうしたら良いものか。申請書類さへ出して認められれば Spisvakt を取り付けてもらへるといふ、法律に守られ、秩序の中で暮らすことのできる安心は、ずっと続いてくれるのだらうかと、ふと不安になったりする。

散歩道の途中の教会