FAX

2024-02-11 (日)(令和6年甲辰)<旧暦 1 月 2 日>(友引 乙巳 六白金星)建国記念の日 Yngve Inge    第 6 週 第 27396 日

 

スウェーデンでは昔は通信手段にFAXを使ふことも多かったが、約20年前には姿を消した。アナログの国日本では今でもFAXを使ってゐる人もあるかしれない。流行遅れの技術であるが、現代のスウェーデンでも使はれることがあると聞いて驚いた。といふのも、あるところでサイバー攻撃を受けて重要なITシステムが機能しなくなり、急いで薬を注文するのに、FAXが使はれたと新聞で読んだ。いざといふ時には昔の技術が役に立つのかと驚いたわけ。でもそんな古い装置がよく保存されてたねと感心する。FAXも僕らの若かった頃はロール状の感熱紙に印刷されるものであった。それが普通紙に出力される様になった時、これはすごい技術革新だと思った。それからまもなくFAXは家庭にもやってきた。家庭用の複合機は昔は電話線に繋いで使ふものであったからFAX機能も付いてゐた。ところが、最近はWiFiで繋がるから、最近の複合機からはFAX機能が外されてしまった。僕は今でも家に固定電話を持ってゐるけれども、できれば固定電話はアナログ回線のまま残しておきたかった。その方が災害時に強い気がして。でも、通信会社はその様なサービスをやめてしまって、固定電話もモバイル回線になった。つまり、昔からの電話番号はそのままであるものの、その実態は携帯電話と変はらなくなってしまった。デジタル化が進んで、身の回りからは現金も預金通帳もアナログ電話も無くなった。いまやスマホまたはWiFiライフラインだ。サイバー攻撃を受けたらどうすれば良いのだらう。戦争や災害の多い現代で、いつか自分にも本当の危機が迫って来るかもしれない。そんな漠とした予感と恐れ。その時は、この命、この心臓に脈打つ脈動を信じて、不動の心を持たねばならないと思ふ。

気温が下がって、氷の海。