平家物語 巻第五 「都遷 3」

2023-08-13 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 6 月 27 日>(友引 癸卯 六白金星) Kaj    第 32 週 第 27214 日

 

これまでの日本の歴史を振り返れば、いくつも遷都の先例があった。最初は神武東遷である。日本の開闢時になった七柱の神々は天神七代と呼ばれる。(この七代の最後にイザナギイザナミの男女二神が登場して、高天原からオノコロ島に天下る。イザナギイザナミを両親として天照大神が生まれる。天照大神以降の神々は地神五代と呼ばれる)。地神五代の五代目の神様が鸕鷀草葺不合尊であり、その第四皇子が神武天皇である。御母は玉依姫と言って、わたつみの神(海神)の娘であった。この天神七代と地神五代を併せた十二代は神代と呼ばれた。神武天皇は人代として初めての帝祖となられた。辛酉の年に日向国宮崎の郡で皇王の寶祚をつぎ、それから59年後、己未の年の十月に東征して、豊葦原中津国にとどまり、大和国と名づけて、畝傍山を指定して帝都を建て、柏原の地を開墾して宮室をおつくりになった。それは橿原宮と名づけられた。(現代の近鉄奈良線橿原神宮前」はその近く)。それ以来これまでに、代々の帝王が都を他国他所へ移されることは三十度ではきかず、四十度に及んだ。神武天皇より景行天皇までの十二代は、大和国の内部のあちこちに都を建てられたが、他国へお移りになることはなかった。

Stockholm の初秋の海の夕暮