soul と spirit

2023-05-05 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 3 月 16 日>(赤口 癸亥 三碧木星)こどもの日 Gotthard Erhard  第 18 週 第 27114 日

 

日本語の「心」「精神」「魂」「意思」「志」「思ひやり」「情け」などはどんな風に使ひ分けるかな、と思ふ。英語では ”soul” と ”spirit” にはどんな違ひがあるのだらう。スウェーデン語では”själ”と”ande”に相当するかな。どちらも目に見えないものだが、確かにあるものだ。唯物論では万物は原子でできてゐるといふことになるのだが、 ”soul” や ”spirit”が原子でできてゐるとは思はれない。だが、波ではあるかもしれない。もし波であるならやはり物質なのだらうか。以下はしっかり調べもせずに思ひつくことを書くのだが、”soul”は自分の意思で良い方向へも悪い方向へも持っていくことができるのに対して、 ”spirit” の方は天から一方的に与へられるものといふことは言へないだらうか。 ”spirit”は天から人へ、”soul”は人から天へといふ方向性はないだらうか。Lindbergh の飛行機の名前は ”Spirit of St. Louis” であったが、もしその名が ”Soul of St. Louis” であったら果たして大西洋横断飛行に成功しただらうか。「少しはやる気を出したらどうかね」と英語で言ふ時 ”Show a little fighting spirit” と言ふ様であるが、その場合でも他力的な雰囲気が語感のうちにないだらうか。キリスト教には三位一体 ”Trinity” といふ言葉がある。父(神)”The Father”と子(キリスト)”The Son” と聖霊”The Holy Spilit” とは一つのものであるといふことを言ってゐる。soul にも良い soul と悪い soul があるだらうが、holy soul とはあまり言はないと思ふ。地上の人間が発するものは holy ではありえないからではないだらうか。これに対してspirit にも良い spirit と悪い spirit があると思ふ。魑魅魍魎も spirit であるのだらう。悪い spirit に染まらない様に気をつけなければいけないといふことであるかと思ふ。僕が尊敬するケーベル先生の言葉に、「一切は赦される、がただ、聖霊に対する罪だけは赦されない」といふ言葉がある。他力本願の心にヒヤリと響く言葉である。僕は時々この言葉を復唱する。

Nyköping の港の風景