睡眠

日 旧暦 9月 24 日 友引 癸卯 三碧木星 Konrad Kurt Fars Dag V45 25114 日目

「歳をとると早く目が覚めてね」といふ言葉を僕は周囲の老人たちから聞いて育った。そのせいか、「老人は皆早起きである」といふイメージがある。でも、自分が老人となった今、なかなか早起きできない。これは「自分はまだ老人ではない」といふサインではないかと思ふこともある反面で、「老人だって本当は朝が眠いのではないか」と思ふこともある。腕に睡眠の深さを測る計測バンドをつけたままで寝るが、深い眠りを示すのは決まって朝方の目覚め直前である。よく、「私、夜眠れなくて辛いのよ」と言ふ人があるが、本当は結構深く寝てゐるのに本人は気づかないだけの場合もあると思ふ。「睡眠時間は何時間が良い」といふ言ひ方も僕は信じない。すごい人、例へば信仰の人は、毎日4時間ほどしか寝てなくても平気であるし、僕などは何時間寝てもまだ眠い。小学校の時は母親が心配して医者にみてもらひに連れて行かれたこともある。高校3年生の時は、日本史の時間だったが、授業が始まる時に「お前ら、今日だけは寝るなよ」と先生から注意されても、授業の終り頃にはやはり寝てしまった。青春時代から悩みは多かったが、夜よく寝ることで解決した。大学入試に失敗した夜もよく寝た。人生で本当に眠れなかった夜といへば数へるほどしかない。「眠られぬ夜の思ひ出」を書けと言はれれば、第1夜から第10夜くらいまでしか書けないのではないかな。いづれも失恋物語になるだけなので、やっぱり書くことはできない。