平家物語 巻第四 「宮御最期 7」

2023-03-31 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 10 日>(大安 戊子 四緑木星)Ester Noa  第 13 週 第 27079 日

 

飛騨守景家は老練なつはものであった。このまぎれに、宮はきっと南都へお急ぎになってゐるに違ひないと予想して、いくさには参加せず、その勢五百余騎で馬を急がせて追ひかけた。すると思った通りに、宮は三十騎ばかりで落ちていかれるのが見えた。光明山の鳥居の前で追ひつき、雨の降るように矢を射かけると、誰が放った矢であるかは分からないが、宮の左の脇腹に当たった。宮は御馬より落ちて、その場でその御頸を取られてしまはれた。これを見てお供をしてゐた鬼佐渡・荒土佐・荒大夫、理智城房の伊賀公、刑部俊秀・金光院の六天狗は、いつのために命を惜しむべきであらうかと言って、おめき叫んで討死した。

春の雪はすぐに解けるからか、あまり除雪車の出動を見なかった