絶食死

2022-01-17 (月)(令和4年壬寅)<旧暦 12 月 15 日>(友引 庚午 七赤金星) Anton Tony 第 3 週 第 26647 日

 

西行

願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ

と詠んだ。そして、その歌に託した願ひの通りに2月16日に亡くなった。そのことでますますこの歌が有名になったのだと思ふ。この歌を知った時、真に修行をした人は自分の死ぬ時を予め知るのかもしれない、それにしても不思議だなと思った。先日、何かの記事で、宗教学者山折哲雄氏が、「西行は絶食を続けて死んだのではないか」と書いてをられたのを読んだ。「なるほど」と思った。平家物語俊寛僧都も鬼界ヶ島で絶食して死んだことになってゐる。現代の日本の病院では、患者が希望したとしても、そのような選択は多分許されてゐない。「断食」をする宗教はあるが死ぬまで断食といふことはない。空腹は本当につらいものだから、死に至るまでものを食べないでゐるのは大変なことであろうと思ふ。戦争に駆り出されて、アジア南部や太平洋の島々で食べるものがない苦しみの中で死んでいった若者たちの苦しみを思ってしまふ。

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この鳥たちに近づくとエサをせがむので、なるべく近づかない。