一人称、二人称、三人称

2018-09-19 (水)(平成 30 年戊戌)<旧暦 8 月 10 日>(大安 甲寅 七赤金星) Fredrika 第38週 第 25425 日

 

9月14日の朝日新聞の「折々のことば」に「世間に生きている日常の日本語が「彼」を持っていない」といふことが書いてあって、僕は妙に納得した。中学一年生の時、僕はまだ思春期以前であったが、学校で英語といふものを初めて習って、’he’ を「彼」と訳することに驚きのような、違和感のような、新鮮なものを見た感じがあったのを今でも覚えてゐる。そもそも、「一人称」「二人称」「三人称」といふ言葉は江戸時代にもあったのだろうか。「自動詞」「他動詞」も同様である。外国語の文法を学ぶためにできた言葉ではないかと思ふ。外国人は人称の区別が曖昧な日本の言葉はわかりにくいと思ふか知らないが、僕らには「こちら」「あちら」などの方が親しみやすい。日本語には日本語の文法があって、外国語とはすっかり様子が違ふから、日本語の文に無理に目的語や補語を対応させようとするのはそもそも無理がある。現代では日本語の文に「彼」とか「彼女」とか出てきても違和感はないが、これらは元々は翻訳の必要から生まれた新しい使ひ方が一般化したものであると思ふ。

 

f:id:sveski:20180920032043j:plain

Stig & Irene さんの家で fika させていただいた