短い音節の言葉

月 旧暦 1 月 4 日 仏滅 壬午 七赤金星 雨水 Gabriella Ella V08 25213 日目

海外に暮らしてゐると、日本語がありがたい。いまではもうインターネットがあり、日本の新聞や週刊誌までもがウエブ上で読むことができる時代であるから、それほど日本語に飢えることはないのだが、それでも僕はことのほか日本語が愛ほしい。日本語の素晴らしさのひとつに表現の簡潔性があって、それはもともと漢語から来てゐると思ふ。例へば、ソクラテスの言葉を引いてみると、”The only true wisdom is in knowing you know nothing.” これでも十分短い文の中に深いエッセンスが含まれてゐるが、これをさらに凝縮すると、”The wisdom of not knowing” となるかと思ふ。(変かな?)しかし、これを日本語で言ってみると「ムチノチ」とわづか4つの音韻で表現できてしまふ。「無知の智」。一音節だけで意味ある言葉が多いのも日本語の特徴だと思ふ。「蚊」「胃」「木」「酢」「田」「菜」「葉」などいくらでも出てくる。一音節だけの日本語辞典、二音節だけの日本語辞典を自分で編集してみれば外国人には受けるかもしれない。短い音節の言葉はそれだけ日常生活に身近なものを指す語である筈だ。それだけ同音異義語もたくさん出て来て、日本語を学ぶ人にはわかりにくいかもしれないが、かけ言葉やダジャレが生まれる基盤にもなってゐると思ふ。