原子力発電所の設備

金 旧暦6月8日 先勝 甲子 九紫火星 上弦 Kjell V27 22794日目

原子力発電所には色々な設備が備わっている。電気を起こすための設備はもちろんであるが、まさかの時のために、原子炉を安全に停止するための設備が幾重にも用意されている。発電所の生涯でおそらく一度も使われることは無いであろうと思われる設備がたくさんあって、その分、建設には余分なお金がかかっている。また、それらが、いざという時にきちんと動いてくれるように、発電所では毎月のようにそれらの設備の作動試験を繰り返している。大変なお金と努力の積み重ねである。ところが、この前の津波では、この日のために用意されていたこれらすべての設備が全く使われる機会を得なかった。結果的にそういうことになるのであれば、最初から緊急冷却装置など持っていなくても結局は同じではなかったかというような結果に落ちた。発電所の生涯でおそらく一度も使われることは無いであろうと思われていた設備は、全く違う形ではあるが、実際に一度も使われることなく生涯を終えた。そのことを思うたびに、なんかとてつもなく恐ろしいような虚しい思いにかられる。あれはいったい、何のための努力であったのだろうか。