九電メール事件

木 旧暦6月7日 赤口 癸亥 九紫火星 小暑 Klas V27 22793日目

日本中の原子力発電所に対して、ストレステストをせよという方針が国から出された。唐突な感じはある。具体的な試験要領書は既にできているのだろうか。種々の過酷な条件を理論的に想定することはできても、実際に発電所をそのような条件にさらすことはできないから、結局は安全解析の理論的な見直しと大差ないものしかできないのではないだろうか。つまり、表向きそういうことをやってますというPRを狙ったジェスチャーくさい感じに終わる気がする。原子力をこれからどうするかという問題で世の中は揺れているが、今日は九州電力が変なことをやってまた一層社会が騒がしくなった。原子力発電所の運転再開を容認する意見を出させて世論をリードするような指示を九州電力が後ろで工作したというのである。どうしてそんなことをしたのだろう。原子力の将来を考える時に、自分の所属する業界の利益を守るためにというようなケチな料簡で賛成したり反対したりするのでは、必ず判断を間違える。将来の日本のエネルギー源を真に憂うるところから議論を出発させなければならない。その結果、自分の所属する業界は先細りになるのだなと思ったら、さっさと他のことに転進すれば良いだけの話である。電力会社は電気を起こすことで社会に奉仕するのだという誇りを持って欲しい。結果として儲かることも損することもあるかしれないが、もともとお金のためにやっているのではないという明快な意思を持って欲しい。経営とはそういうものだ。そうすれば、人に世論の形成をお願いするような卑屈な発想は出てこないはずである。