朝礼

2024-02-02 (金)(令和6年甲辰)<旧暦 12 月 23 日>(仏滅 丙申 六白金星) Kyndelsmässodagen    第 5 週 第 27387 日

 

僕の小学校時代には、と云ふともう60年以上も前の話になるが、朝礼といふものがあった。毎日ではなかったと思ふが、1年生から6年生までの全校生徒が授業の始まる前に講堂に整列して校長先生か教頭先生のお話を聞くのだった。晴れた日には場所を校庭に移されることもあった。ある晴れた朝、校庭の高い壇に立たれた教頭先生が「世の中で一番大事なものは何でせう?」と聞かれた。対話風な話し方がちょっと新鮮であった。2列ほど隣に居た子が指された。その子は「いのちだと思ひます」と答へた。僕は自分の答と同じだなと思った。先生はやや驚いて「色んな答が返って来ると思ったけど、いきなり正しい答ですね(こんな時、現代の人は「正解ですね」と云ふが、僕は嫌ひだ。昔はそんな言ひ方はありませんでした。)と言って話を続けられた。何でもないシーンであるが、このシーンを僕は時々思ひだす。老年になって改めていのちの大切さを思ふ様になったからかもしれない。

寒寒とした梢が、あと三ヶ月もすれば緑に覆はれる。