ベートーベンのチェロソナタ

月 旧暦 10 月 10 日 先勝 戊午 六白金星 上弦 Astrid Asta V48 25129 日目

「あなたはクラシック音楽の作曲家では誰が好きですか?」と聞かれた時、ショパンと答へる人、モーツァルトと答へる人など様々であると思ふけれども、「ベートーベン」と答へる人は意外に少ないかもしれない。「だってそれは余りにもみんなが当然思ってゐることでしょ」と言はれてしまひさうな、無粋な返事になりはしまいかといふ思ひが潜んでゐるからかもしれない。そこがまたベートーベンの偉大さであると僕は思ふ。今日はそんな Beethoven のチェロソナタ全曲をまとめていっぺんに聞いた。何日かに分けた連続演奏会ならあるかもしれないが、一夜で全曲演奏するといふ、こんなてんこ盛りのプログラムは、多分、滅多にあるものではない。演奏はチェロが Hampus Linderholm ピアノが Mats Jansson。場所はノルショッピングのイマニュエル教会。多忙を極める演奏家がどの様に時間を見つけてリハーサルなさるのかは分からないが、その並並ならぬ音楽への熱意と強い意志はひしひしとこちらに伝はって来る。一口に多忙と言っても、意志の力や義務感だけではこなし得ない、おそらくは信仰の人だけが持ちうるスーパーパワーの人の手で演奏される素晴らしい音楽に圧倒された夜であった。ちなみに、このピアニストにより立案された次回の興味深い意欲的なプログラムの予告も書きます。ピアノ四重奏曲の夕べ Mozart, Schumann, Brahms を一挙に演奏。Nils-Erik Sparf (violin), Patrik Swedrup (viola), Erik Wahlgren (cello), Mats Jansson (piano)。日時は 2017 年 12 月 11 日 19:00 開演。場所は Immannuelskyrkan, Norrköping。これも見逃せない楽しみなプログラムです。