平家物語 巻第五 「咸陽宮 2」

2023-11-05 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 9 月 22 日>(赤口 丁卯 三碧木星)下弦 Eugen Eugenia   第 44 週 第 27298 日

 

始皇帝はその後もいまいましい気持ちが抑へられない。秦の国と燕の国との境に楚国といふ国があった。大きな河が流れてゐて、楚国の橋といふ名の橋がかかってゐた。始皇帝は官軍を派遣して、燕丹がこの橋を渡る時に、踏めば河に落ちる様な仕掛けを指図した。そんなこととは知らない燕丹は板を踏んでまんまと河に落ちてしまった。ところが、水にも溺れずに、まるで平地を行く様に向かう岸へ着いた。やや、これはどうしたことだと後ろを振り返れば、たくさんの亀が水の上に集まって甲を並べて燕丹を歩ませたのだった。これも孝行の志を神仏が憐れんでくださったからであらう。

Stockholm へ行った。