かけがへのない星・地球

2023-09-10 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 7 月 26 日>(友引 辛未 五黄土星) Tord Turid    第 36 週 第 27242 日

 

宇宙には、地球の他にも生命の育つ惑星があるのではないかと科学者たちは思ってゐる。ロマンティックな話だ。地球も太陽もこの広い宇宙の中心にあるわけではないことがわかってから、自己中心の考へを捨て、偶然に生命が生まれることはこの宇宙の他の場所でも起こり得ると考へるわけである。だが、それにしてもそんなにうまくいく偶然、奇跡がまたと起こり得るものだらうか。僕は科学者たちの予想が当たってゐると思ふ気持ちが半分と、いややはり地球はまたとない唯一無二の生命の星だと思ふ気持ちとが半分づつだ。いかに宇宙は広しといへども、こんなに多様な生物が繁栄する星が地球以外にもあるとは思はれない。宇宙の誕生も生命の進化も、その過程にはどんな意思が働いてゐたわけでもなく、ごく自然の成り行きとして出来上がって、進化して来ただけのものだ。そこは情けも慈悲も全く介在しない世界であると思ふ。ところが、結果から見ると、どんなに強い意思をもってしてもここまでは実現できないだらうと思はれるほどの素晴らしい世界が出来上がってしまった。言ってみれば地球はかけがへのない星だ。だが、地球は今や危機にさらされてゐる。この地上から多くの生物が絶滅するかもしれないのだ。地球は46億年といふ長い歴史のなかで、これまでにも何度か生物の大量絶滅を経験してきたけれども、今直面してゐる生物絶滅の危機は、人間の活動が原因となってゐる点で、過去の絶滅とは違ふ。僕らはそんな危機の真っ只中にゐるのに、地上の人間どもはまだ戦争を続けたり、地球にダメージを与へることばかりしてゐる。そしてそのあげくに、必然的に起きた気候変動に怯えてゐる。なんとかならないものかと思ふ。

家の裏にある小学校の校庭に続く森