希望の星

2022-12-30 (金)(令和4年壬寅)<旧暦 12 月 8 日>(先勝 丁巳 七赤金星)上弦 Abel Set 第 52 週 第 26988 日

 

小さい頃は宇宙に憧れたものであった。しかし、今はもうそれほどには憧れを持たない。宇宙旅行をしたいとも思はない。結局人間の宇宙開発といふものは地球の周りを汚すだけの営みの様な気がするからだ。人間ひとりに比べれば、地球は巨大である。けれども、その地球だって太陽から見ればちっぽけなものだ。その太陽だって、銀河系から見ればちっぽけなものだ。その銀河系だって、、、。こんな風にどこまでも続きさうな気がする。一方、小さな世界に目をやれば、ウイルスの様なサイズのものから見れば、ひとりの人間が宇宙の果てほど大きく見えるかもしれない。私の身体はひとつの宇宙であるのだ。今僕たちが住む世界は、長さはおよそ1メートル、時間はおよそ1秒程度のオーダーを身の丈とする世界に、たまたま住んでゐるだけであって、ものの大きさなんて相対的なものだ。つまりどんなに小さなものであっても、無視したり、馬鹿にしてはいけないのだと思ふ。そんなことを思ふと、あまり宇宙に出てみたいとも思はない。地球はもはや人間が住める星ではなくなるであらうから、火星に移住するのだと考へる人もあるが、この地上での一日のうつり、一年のめぐりを感じられない星では、僕は到底生きていけない気がする。1メートルといふ単位も1秒といふ単位も、元を正せば地球のサイズや運動から決められた量であったことを忘れてはいけないと思ふ。火星に移住することよりも、この星にとどまって、何とか希望をつなぐ道はないものか。

冬の昼は短い