天は見てゐる

2023-03-09 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 18 日>(先勝 丙寅 九紫火星) Torbjörn Torleif 第 10 週 第 27057 日

 

中国では最近全国人民代表大会が開かれたが、その直前に李克強首相が放った言葉が新聞に出てゐた。その言葉とは「天の眼は見てる」といふものだ。僕は言葉通りに「天はいつでも我らを見てゐる」と解釈するのだが、この言葉は「天に見られてゐるのだから、悪いことをしてはいけない」といふ意味になり、ひいては「君のことを言ってるんだよ」と誰かを批判する言葉として作用するものらしい。僕にはその辺の事情はわからないけれども、この言葉ほど本来の中国らしさを思はせてくれる言葉はない。中国ばかりではない。ロシアも北朝鮮もみな、この東洋の言葉に耳を傾けてほしい。僕ら平和を愛する国の人間は、諸国民の公正と信義を信頼して安全と生存を保持しようとしてきたのである。最近それを平気で裏切る国々が現れて来てゐるが、審判を下すのは天命であると僕は信じる。過去80年間、平和憲法に守られた日本国民は平和ボケしてゐると指摘する人もある。そして台湾有事などに際して起こりうる恐ろしいシナリオを書き立てて不安を煽る雰囲気もないではない。だが、その様なシナリオも念頭に置いた上で、今こそ僕らは全力をあげて崇高な理想と目的を達成することに邁進すべきではあるまいか。紆余曲折はあるだらうし、トルコの大震災などで住むところを失った人々に対し、天はどのようなメッセージを出してゐるのかわからない様な状況も一方にはある。およそ天心は蒼々として測りがたしといふ面はあるのだが、最終的には人間は天命によって生かされるものと僕は信じる。

気温は氷点下で雪は溶けなかった。春の光にキラキラと反射して綺麗だった。