平家物語と百人一首

2022-06-22 (水)(令和4年壬寅)<旧暦 5 月 24 日>(仏滅 丙午 一白水星) Paulina Paula  第 25 週 第 26803 日

 

百人一首平家物語とはほぼ同じ時代に成立したのだと思ふ。それで、百人一首に載せられた歌人上代から平家物語の時代までの人たちである。登場人物中、一番新しい歌人は第百首の順徳院ではないかと思ふ。それでは百人一首は時代的に古い人から並んでゐるのかと言へばさうでもない。生没年不明の歌人もあるから確かなことは知らないが、柿本人麻呂などは一番古い歌人だと思ふ。その人麻呂の歌の前に天智天皇持統天皇のお歌が配されてゐる。天武天皇聖武天皇桓武天皇のお歌はない。お名前に「武」の字がつくから外されるわけでもあるまいが。高校時代に三十六歌仙を習ったが、三十六歌仙に選ばれる栄誉に浴しながら百人一首に採られなかった歌人も、ちょっと調べたところ11人ある。藤原定家の時代であれば、平家の都落ちに際して藤原俊成の元に引き返して歌を納めた平忠度の歌なども入って良いのではないかと思ふのだが、これは千載和歌集に詠み人知らずとして載っただけである。百人一首の歌そのものは知ってゐても、その歌人達について僕はほとんど知らない。それでも平家物語を少しづつ読むと、その物語に登場する人に関連して新たに親しみのわく歌人もある。

いつもの散歩道。教会の前。