同じ釜の飯

2019-09-03 (火)(令和元年己亥)<旧暦 8 月 5 日>(赤口 癸卯 九紫火星)Alfhild Alva 第 36週 第 25772 日

 

「同じ釜の飯を食ふ」といふ言葉は死語になりつつあるのではないかと思ふ。昔、戦争に行った兵隊さんたちは、戦地において文字通りの意味で苦楽を共にしたから、そんな言葉にもリアルな感慨があったのだと思ふ。時代が下がるにつれて、人々はあまり苦楽を共にしなくなった。個人の苦しみが消えたわけではないが、きっとそれぞれが孤独に昔とは別な苦しみ方をしてゐるのだと思ふ。今はどうかすると、「ひとり御膳」であったり、コンビニ弁当ですます人も増えたのではないかと推察する。一つ屋根の下でご飯を炊いて、一緒に食べる生活様式はだんだん消えていくのかも知れない。だが、異国にあっても我が家では食事を共にする習慣を細々と続けてゐる。夕食にはご飯を食べる。1日に1合の飯を炊いて、それを二人で分けて食べる。お互ひを戦友の様に感じる。もちろん僕は2等兵、向かうは1等兵である。かくして我が家では「同じ釜の飯を食ふ」といふ言葉が、何とか保たれてゐる。

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岩がよく露出してゐるのを見かける。地震はほとんどない。