PKO協力法改正案

木 旧暦 1月22日 仏滅 丁亥 三碧木星 Viktoria Kronprinsessornas namnsdag V11 24138日目

世の中の動きを見てゐると、世界の国々が地上のあちこちで互ひに対立しあふ構図が次第に強まってゐる様で不安である。太平洋戦争に突入する前の世界の状況と今の状況とは、ある意味で似てゐるのではないかと思ふ。戦後に生まれた僕らは敗戦といふ結果を知ってゐるから、あの戦争の時代のことをずっと長い暗い灰色の時代であったらうと連想しがちであるが、真珠湾攻撃が始まった後、まだ本土を空襲されることも無かった時代には、銃後の民にはこれからとてつもなく悲惨な状況に至るといふ予想がつかなくて、意外と社会の空気は明るかったのではないかと思ふ。ちゃうど今の日本がさうである様に。最近の世界の治安維持活動にしても、テロとの戦ひは口実としてはもっともらしく聞こえるのであるが、「悪い奴らだからやっつけろ」と言ふ前に「何故テロが暗躍する時代になったのか」も考へる必要があるのではないかと思ふ。テロリストたちによる残忍な行為を「鬼畜だ」と僕らは思ふが、元日本兵にだって、その昔、鬼畜の様に敵を平気で殺した記憶があるのではないか。命令のためとは言へ、普通の感覚を持った一般市民が、戦争に駆り出されて極限の状態に追ひ込まれると、信じられないほど鬼畜になってしまふところに戦争の恐ろしさがある。そんなこと、思ひ出したくも無い気持ちはわかるが、戦争を語り継ぐとは、被害を受けたものが、その体験を風化させないだけに留まってはならないとも思ふ。最近の日本の安全保障法制の整備案を見ると、僕は何だか心配でしようがない。