日本はどこで間違へたのか

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昨日、張作霖爆殺事件のことについて書いたが、その続きを簡単に書く。読んだ本は半藤一利著「昭和史」(平凡社ライブラリー)。その事件は関東軍が引き起こした事件であるけれども、彼らは事故の原因は不明であるとして闇に葬らうとした。ところが、どうもをかしいといふ噂もあり、真相は次第にバレていった。世界的に公表できないにしろ、国内ではきちんと始末をつけないといけない。さう考へた、時の総理大臣田中義一は、天皇に「もし陸軍がやったことなら厳罰に処します」と約束した。天皇はその申し出を大変お喜びになった。しかしその後調査は進まず、半年後に天皇に「陸軍がやったことではありません」と嘘をつく。天皇はお怒りになった。この事件は関東軍だけの謀略ではなく、東京の参謀本部陸軍省が絡む事が明らかになり、その筋から脅迫されたのである。田中首相はもと陸軍出身であることもあり、真相を言へば陸軍中央がグルであったと知れて陸軍はガタガタになる。日本の重要な組織の総崩れが起きてしまふ。それで、板挟みに会ひ、嘘の奏上をして天皇のお怒りに触れ、結局内閣を総辞職。その後すぐに田中首相は亡くなってしまった。この事があってから天皇は、内閣が一致して上奏して来たことに対しては、反対であっても裁可をお与へになる様になった。また、軍部は天皇のおそばに控へる重臣たちを「君側の奸」と呼んで敵視する様になった。この辺からすでに日本は間違へてゐる。真相はもうバレてゐるのに総理大臣が白を切るのは今の時代にも良くあることである。隠し事をした事により、国の行く末を大きく誤らせた過去があったことを僕らは忘れるべきではないと思ふ。

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