文明国の条件

2019-02-25 (月)((未定)1 年己亥)<旧暦 1 月 21 日>(先負 癸巳 九紫火星) Sigvald Sivert 第9週 第 25583 日

 

「文明国の条件を一言で述べよ」と聞かれたら、「戦争をしない国です」と答へたい。江戸時代の末期、幕府の力は落ちてゐたけれども、300年にわたって戦争をしなかったことは、当時の日本が文明国であった証拠ではないかと思ふ。黒船がやって来て、巨大な西洋文明に度肝を抜かれた後、人々は一斉に文明開化、富国強兵へと走った。それはそれでやむを得ぬ動きであったと思ふが、日清、日露の戦ひを経て到達した境地といふのは、欧米の真似をして、他国を植民地化する動きを自分もやってみることであった。この真似をしてはいけないことを真似したことが、以後長く日本を苦しめる原因になった。文明開化の後に得られたものは、戦争をする国といふ、最も文明から離れた状況であったのは何といふ皮肉かと思ふ。現代もまた、世界の各国は自国第一主義に走って、貿易戦争などを繰り広げてゐる。日本も遅れをとってはいけないとその土俵に載せられてあくせくしてゐる感がある。今また、よその国の悪いところを真似てはいけないと思ふ。真似をしないで、自分たちの本来の姿に立ち返り、そのやり方を静かに世界へ向けて訴へて行くことが大事ではないかと思ふ。

 

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散歩道にも春に近い感じあり