キーン先生

2019-02-24 (日)((未定)1 年己亥)<旧暦 1 月 20 日>(友引 壬辰 八白土星) Mattias Mats Sexagesima 第8週 第 25582 日

 

ドナルド・キーン先生がお亡くなりになった。有名人の訃報を聞いてすぐにブログに書くことにやや抵抗があるのだが、お悔やみの言葉をひとこと書きたい。今では日本文学を研究する外国人の数も増えて、文運隆盛の感があるけれども、僕らはどうかすると、日本人でなければ日本文学はわからないものと思ひこむ傾向がある。しかし、日本文学の真髄はもっと普遍的なものであることをキーン先生は指摘して、日本人を励ましてくださった。東日本大震災後に日本国籍を取得して日本に住む決断をされたことも驚きであった。しかし、キーン先生が現代日本の風潮をどの様にお感じになってゐたかは分からない。南太平洋の島々で戦死した若き日本兵たちの日記。キーン先生はその日記にいたく感動されたと聞くが、その兵士たちの心は今の平均的日本人にどれだけ残ってゐるのかなと思ふこともある。おそらく現代の日本人に失望された面も多かったに違ひない。キーン先生が思ひ描かれた日本人像ーそれになるべく自分も習ふ努力をして行くことが、一日本人として、先生の霊前に捧げる志であると思ふ。

 

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