民主主義危し!

日 旧暦 1月28日 仏滅 丁亥 三碧木星 Ebba Ebbe Midfastosöndagen V9 24487 日目

現代の日本では言論の自由が保障されてゐるが、過去には言論の自由が甚だしく制限された時代があった。さらに戦争中の軍隊では上級兵と下級兵の関係や捕虜の扱ひなど野蛮きはまりないものがあった。日本が韓国に対し慰安婦問題を反省謝罪する時、その奥に全体に非常に野蛮な暴力的状況があったことに対し、自らへの反省を忘れてはいけないと思ふ。民主主義から遠い国であったことが日本が戦争で負けた原因の一つと思ふ。戦後は日本は民主国家として歩み始め、次第に経済的繁栄を呈することになった。しかし、民主的であらうとする努力は、気を抜くとすぐに流されてしまふ。高度成長の後、経済が停滞する中で、民主的であらうとする努力が次第に薄らいだ様に僕には思はれる。その因果の時差が過ぎてやがて変な結果が現れて来はしまひかと心配である。一方、アメリカは戦争に勝ったのは「俺たちの民主主義の勝利だ」と凱旋した。それはその通りの面もあったかもしれないが、戦後の流れの中でアメリカでも民主主義を維持しようとする努力は弱まって行った様に見える。アメリカの昨今の衰退は民主主義の衰退と軌を一にしてゐる。極めつきは大統領選挙をめぐるトランプ勢力の台頭である。あんな人が大統領になったらそれこそ世界はもう大変なことになるが、予備選にもせよ、これまでに大多数の支持を集めてしまった事実が、僕には大きな驚きである。その熱狂的な大衆結集の様子や社会への不満をこの一点に集中させる様子は、1930年代にドイツでナチス党が勢力を拡大した時の様子に非常によく似てゐる気がする。かのアメリカにおいて、いや世界の各地において、僕は「民主主義危し!」の感を強くするのである。