ある面接試験の話

2018-12-18 (火)(平成 30 年戊戌)<旧暦 11 月 12 日>(仏滅 甲申 三碧木星) Abraham 第51週 第 25514 日

 

毎日の様にブログを書いてもう 11 年以上になるが、自分の気持ちの中には「行き過ぎではないか」といふ気持ちもある。自分のことを語れば自慢話になるし、それを避けようと、謙遜して何かを書いても、その謙遜がまたネチッと自慢の裏返しの気配を帯びてしまふ。結局、自分については何も語らない方が良いのだ。そんな思ひがブログを書く時の自分の心のどこかにある。それがどこから来るかといへば、明治生まれの祖母に育ててもらったことと無縁ではない気がする。その祖母から聞いた思ひ出話をひとつ書く。若い頃、面接試験を受けたことがあったさうだ。部屋に入って面接官の前の机に着席するまでの間に紙くずが落ちてゐた。その紙くずを拾ってゴミ箱に捨てるかどうかが、試験の一部であったと後で知って驚いたさうである。この話はなぜか僕の記憶に残った。後年になって僕は学校を出る前に就職試験を受けることになった。試験といっても面接だけである。その日は3人が同時に面接を受けた。面接が済んで部屋から出る時、僕が最後になった。チラッと今まで座ってゐた机を振り向くと僕の隣にゐた人のコーヒーの紙コップが置かれたままであった。「まづいのではないか」と思った僕はサッとその紙コップを引き取って退室した。面接の結果はその隣の人は不合格で残りの二人が合格であった。まさか紙コップのせいでその人が不合格になった訳ではないと思ふのだが、昔、祖母から聞いた話をその時に思ひ出したのだった。

 

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この雪が解けなければ、ホワイトクリスマスになる。