陛下のお気持ち表明

月 旧暦 7月6日 赤口 壬戌 五黄土星 Silvia Sylvia Drottningens namnsdag V32 24642 日目

午後3時から陛下のお気持ち表明のビデオ放送があるといふので、それを拝聴した。静かでゆっくりと分かり易いお言葉でお話しになった。ご高齢になられて、若い時と同じ様に公務を続けることは難しくなられること、天皇の公務は高齢を理由に減らすことになってはならないことなどをお話しになった。全身全霊といふお言葉にも辱さを感じた。ずるずると時の流れに引き摺られるのではなく、キチンと対応すべきことを今のうちにお話しになるところに、陛下のお心を感じる。かういふことは陛下ご自身から仰らなければ、周囲が気をもんでご進言申し上げることはできないことである。陛下が国民に向かってお気持ちを表明されることはあまり例のないことと思ふ。僕は昭和天皇の20年8月15日のラジオ放送を連想してしまった。無論僕はその時に生まれてゐなかったが、陛下のお言葉といふことでラジオの前に集ふ国民の気持ちとしては、やや似通った心理が働いたのではないだろうか。あの時はラジオの受信技術も悪かったが、もしも、雑音のない綺麗な音声でお言葉が流れたとしても、そのお言葉を瞬時に正確に聞き取るには、かなりの教養人でなければ理解できなかったかもしれない。それに比べれば、今日の陛下のお言葉は平易であり誰にでもすぐに分かった。そこに僕は71年の時の流れの重みを感じる。平和であることのありがたさを感じる。