木 旧暦 6月1日 赤口 癸巳 七赤金星 新月 Reinhold Reine V29 24264日目
今日の日本経済新聞に韓国電力がアラブ首長国連邦(UAE)向けに進めてゐる原発建設事業のことが出てゐた。韓国の原子力安全委員会が建設中のモデルの原子炉安全性に対して「次回再審議」としたことにより建設を進められず、納期が守られなくなる恐れが大きいとのことであった。この案件ではかつて日本も受注競争に参加して韓国に敗れた経緯がある。韓国の原子力業界にとってはこれは輸出第１号案件であり特別な意味がある。だが、今日のニュースを横に置いても、僕は日本が受注できなかったことは却って良かったのではないかと思ふ。なぜかと言ふと、聞くところによると、発電所が出来上がれば顧客の電力会社に引き渡して終はりではなくて、引き渡し後の運転や保守についても受注者が引き受ける形だと言ふ。もし、将来、深刻な原子炉事故が起きた場合、誰が「これは自分たちの発電所であるから、最終的に自分たちで守らなければならない」と自覚するのだらうか。福島以降も世界のあちこちに原子炉増設の機運があり、先進国間に原子炉輸出競争がある様にみえるが、あまりに文化の違ふ国に原発を輸出するのはリスクが大きすぎるのではないかと僕は思ふ。
