ダーラナ地方へドライブ

金 旧暦 6月2日 先勝 甲午 六白金星 Bruno V29 24265日目

同居人は朝僕がまだ寝てゐる時間から仕事に出かけて、今日は特別早くにお昼過ぎに家に戻って来た。それから間もなく二人でドライブに出た。僕らの町にはE4と言ふ大動脈が東北から南西方向に走ってゐるが、今日はそれを利用せずに53号線を北上して Eskilstuna, Västerås, さらに70号線に乗ってSala, Avesta, Bolänge, Leksand の近くを経て、Siljan湖畔の Tällbergまで来た。その付近のホテルに着いたのは午後6時過ぎであった。お天気が良かったこともありドライブは楽しかった。Swedenの中でもDalarnaはこの国の象徴的な原風景を最もよく残してゐる地方である。ひと月前の夏至祭のメイポールが寂しくポツンと残ってゐた。ここを訪れるのは10年ぶりくらいである。Siljan湖は琵琶湖の半分近い大きさがあるが、湖畔の村々には昔ながらの細い道がくねくねとあって、そこは自動車に乗ったまま侵入するのが申し訳ない様な区域である。カーナビの助けがなかったらホテルにたどり着くのは難しかったかもしれない。ホテルに着くとすぐにまた Siljansnäs へ向かった。そこで三夜連続の室内音楽祭があり、それを聞くのが今回の旅のひとつの目的である。 Siljansnäs はもし湖を横切ることができれば直線距離では近いのであるが、湖の南端をぐるりと迂回しLeksandを通って行かねばならないので30分近くかかった。会場に着くとプログラムの開演ギリギリの時刻であった。今日のコンサートは Klingande drama と題されて、プログラムはモーツァルトの「ピアノ四重奏曲KV478」、シューマンの「女の愛と生涯 作品42」、ブラームスの歌曲(乙女の歌、日曜日の朝、日曜日、永遠の愛について)、ショスタコビッチのピアノ三重奏曲第2番 (作品67)であった。ソプラノを歌ったのは Christina Högman、ピアノは Mats Jansson、弦楽は Nils-Erik Sparf、Patrik Swedrup、Elemér Lavotha。コンサートの帰りに車を止めて湖畔の岸辺に立ってみると、静寂、冷気。透き通る様な雲の向かうに淡い入り日が沈むところであった。