茶道具の展示会

日 旧暦 10月16日 先勝 壬子 三碧木星 大雪 Angela Angelika 2 i advent V49 24043日目

年内には娘たちと会ふ機会も他にないので、昨日4人でストックホルムで会った。そして一泊して今日、家に戻って来た。たまたま今日の午後には、民族博物館で淡交会主催の茶道具の展示会があったので、同居人と二人で顔を出して来た。ストックホルムは大都会だけあって、茶道・裏千家淡交会支部がある。僕はお茶のことは何も知らないのであるが、名目上の会員にしていただいてゐる。行ってみると、茶杓、蓋置、花入などの竹細工や香合などが並べられ、展示だけでは無しに数人の方のプレゼンテーションもあった。よくもスウェーデンにまでこの様な茶道具があるものだと感心したが、日本人である僕よりもスウェーデン人の会員の方が詳しいのでちょっと恥づかしい気もした。花押など見ても僕には全く読むことができない。心を落ち着かせてよく見れば、どの道具にも繊細な工芸が施されてゐて、日本のこころを感じる思ひがした。道具の一つ一つに名前(固有名詞)が付いてゐるのもゆかしい気がした。お茶を飲むと言ふ簡単なことでも、落ち着いた所作を基本とし、精神を高め、芸術に極めさせる日本の文化は改めて素晴らしいと思った(日本文化の担ぎ屋になってはいけないとも思ふのだが、、)。お手前も見せていただき、お茶とお菓子を頂いたが、素人の僕はどう飲んで良いのかも分からない。しかし、何事も構へてはいけないのだ。千利休は素人にもやさしく語りかける歌を残した。歌の本意はもっと別のところにあるのだが、素人に一瞬でもホッとさせるところが面白い。即ち、

茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし

芸に磨きをかけた人であっても、初心を忘れては何の価値も無いと言ってゐる様でもある。