ファーストフードのお店で

土 旧暦 6月23日 仏滅 辛卯 九紫火星 下弦 Sara V29 23901日目

ファーストフードのお店で自分の食べたいものを立ったまま口で言って注文することが僕は苦手である。それはある程度日本でも同じことだが、こちらではさらに言葉の問題もあり、若い店員の素早い会話に同じ速さで対応出来なくて、何も客であるこちらが卑屈になることは無いのだが、自然にさういふお店に行くのが遠のいてゐる。テーブルに座ってからウエイトレスに食事を注文する時は、心理的に落ち着くせいか、追ひ立てられてゐる気分が無くて良い。これも老化のサインかもしれない。注文するものがブレンドコーヒーだけであればマグカップのサイズを指定するだけで良いし、ピザの注文の場合でもさほどの苦労は無いが、ハンバーガーやサラダなどの注文になると、フライドポテトがどうしたとか、ドレッシングがどうしたとか、飲物がどうしたとか、何か指定する度に質問がいくつも返って来て、あらかじめその商品に関する予備知識を持ってゐないとスムーズな注文のやり取りが完結しない。これは客には不便なシステムであると言はざるを得ない。日本の一部のお店では、自動販売機で食券を買ひ求めて注文するシステムになってゐるが、僕にはあれの方が余程分かりやすい。ところで今日は別の人とハンバーガーのお店に行ってこんなことがあった。注文はすべてその人がしてくれたので助かったが、小さなハプニングがあった。多分アルバイトであらうその店員に商品の知識が欠如してゐたのである。その人は「チーズバーガー・ナチュラル」と注文したのに、普通の「チーズバーガー」が出て来た。僕たちが一度席についてから間違ひに気づき、その人は窓口へ再交渉に行った。最初はこちらの注文の言ひ方が悪かったのかとも思はれたが、店員は「ナチュラル」と指定された商品が普通とは別のものであることを知らなかったことがその交渉の過程で分かったのである。普通ならそこで、「私が間違ひました。すみません」と謝るべきところであるが、その店員の態度には全く反省の色が無かったさうである。日本人は謝らなくても良いところで謝ってしまふ傾向が今でもあるかしれないが、反対に謝るべきところで謝ることは万国共通でなければならないと思ふ。自分の過失を認めると不利に働くと信じてゐるのだらうか。そして今では日本でもこの様な場合、謝らない店員がゐるだらうか。かういふ問題は学校や企業での教育の問題といふよりも、小さい頃から家庭でどんな躾を受けて育ったかによることが大きいと思ふ。