ひとりの時に思ふこと

2020-05-23 (土)(令和2年庚子)<旧暦閏 4 月 1 日> (仏滅 丙寅 三碧木星新月 Desideria Desirée  第 21 週 第 26034 日

 

人の性格は様々で、内向きの人もゐれば外向きの人もゐる。自粛がストレスになる人もあればならない人もある、でも、同じ人でも、その時にその人が置かれた状況によって変はるものだとも思ふ。ひとりだけを社会から切り離して、さてこの人は内向的か外向的か評価しようとしてもできるものではない。ある社会の中にその身を置けばその人は外向的でも、別の社会に身を置けば内向的になることもありうる。人の性格は周囲との関係の中で初めて決まるものだと思ふ。であるから、内向的だと思ってゐた人がある時、外向的な振る舞ひを見せるので驚いた、といふことも起こりうる。小・中学生の頃などにクラス替へがあると、何かワクワクする感じがあったのを覚えてゐるが、それは必ずしも新しい人との出会ひに胸がときめくといふよりは、新しい環境のもとでは今までと違ふ自分になれるかもしれないといふ期待の現れであったのではあるまいか。今、コロナのせいで新学期を始められない児童・生徒は、勉強が遅れるからといふよりは、その様な機会が失はれることが可哀想と思ふ。結局人間が歳をとるといふのは、様々に違った周囲を体験することに他ならないのかもしれない。誰でも「ひとりになりたい」と思ふ時があるのは自然なことだ。でも本当にひとりで暮らしてみると反動が来て今度は社会の喧騒が恋しくなることもまた自然であると思ふ。「ひとりになりたい」気持ちと「社会に参加したい」気持ちとの間を振り子の様に行き来することが人生ではないかと思ふ。

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銀杏の小さな若葉が枝々につき始めた。今週になって小鳥たちも来る様になった。