格差の解消はいかにして可能か

水 旧暦 1 月 27 日 先負 乙巳 三碧木星 Matilda Maud V11 25236 日目

社会に拡大して来た格差を少しでも解消しようといふ動きはこれから活発になるかもしれない。それは表面的には社会主義への移行といふ形で現れるのだらうか。富の再配分は確かに必要であらうと思ふ。でも、低迷する人々の望むところは、「生活保護をたくさん欲しい」といふことではなくて、「普通に仕事をしたら、安心して普通に暮らせるだけの普通の収入が欲しい」といふことである。多くの人にとって大事な生き甲斐の一つは、社会の中で自分は自立できてゐると自覚することだ。学校を卒業して初任給をもらった時の気持ちになってみればわかる。そんな気持ちを無視した安直な再配分は人間をダメにすると思ふ。働かなくても暮らしていける生活は楽さうに見えて案外楽ではない。激しい競争社会を勝ち抜くほどの尖った努力はできないけれども、何も怠けた生活をしてゐる訳でもない人たちが経済的に生活できる状況を作らなければならない。かういふ問題は勉強すれば答が得られるのだらうか。単に社会主義に移行すれば解決する問題とも思はれない。特にこれからは人間のしてゐる仕事の多くが機械に置き換へられる時代になるので、「普通に暮らせる賃金をもらへる人間の仕事」を見つけるのがますます難しくなるのではないかと思ふ。