医学サイエンス講演会

金 旧暦 10月27日 赤口 己亥 七赤金星 Sune V48 23670日目

一昨日、ストックホルム日本人会主催で医学サイエンス講演会があり、聞きに行って来た。カロリンスカ研究所MTC研究グループに所属する日本人研究者による最新研究内容を日本語で発表するといふので、面白いかもしれないと思って行ってみたのである。ストックホルム日本人会の行事にはもう十年以上も参加したことが無いので、行っても顔も知らない人たちが殆どであった。講演は癌や遺伝子に関するお話であった。僕の耳が遠いせゐもあるが、発表者の皆さんは概して声が小さいのではないかと思はれた。小さい部屋でマイクも無かったのである。DNAの空間配置の話、肝臓癌治療薬に関する研究、血管新生と癌の話、肥満との関係の話、寒さと脂肪組織の関係などがテーマになってゐた。僕の率直な希望から言ふと、癌になってからでもこの薬で治療すれば寿命を延ばせるとか言ふ研究よりも、癌にならない予防のためにどうしたら良いかと言ふお話が聞きたいところである。それは結局、食べ物に気をつけよとか、よく運動せよとか、規則正しい生活をせよとか、生活習慣の改善に尽きるのかも分からないが、例へばDNAの簡単な検査から病気の予測が出来て、それに応じて働き盛りであってもすぐに仕事を減らせと指示が出るとか、生活習慣改善の緊急度を対象者ごとに具体的に指摘するシステムがもっと発達しても良いのではないかと、話を聞いてゐて思った。が、とまれ、若い人たちの研究にいそしむ姿を見て、その志に触発されるだけでも良い体験であった。発表していただいた皆さんのお名前を書いておくと、隅田周志、岩本英希、保坂佳代子、関孝弘の各先生であった。