サーバーとクライエント

月 旧暦 5月23日 先負 戊辰 五黄土星 Aron Mirjam V27 23518日目

複数の機械をネットワークでつなぐと、それらはそれぞれ機能に応じてクライエントであったりサーバーであったりする。人間の社会にもクライエントとサーバーがある。お金を出して何かを買う人がクライエントであり、お金を貰ってものやサービスを供給する人がサーバーである。機械の場合はサーバーは常にサーバーで、クライエントは常にクライエントであるが、人間の場合は、時と場合によって同じ人間がサーバーの立場になったりクライエントの立場になったりする。だからサーバーとして働く時はクライエントの気持ちが分かるだろうし、クライエントになってみるとサーバーの気持ちが分かる。だから社会はうまく行くのだろうと思う。でも、力関係を見ると、クライエントの方がいつも強い。お金を出すものの方が強いのはどこの国でも同じであると思うが、その力の差みたいなものが日本ではひときわ大きい気がする。昔に比べたらその差は随分小さくなってきているかもしれないが、それでも依然としてあるような気がする。「お客様は神様です」と言う言葉はまだ社会のどこかに生きている。お客様を大切にする気持ちはむろん尊いと思うし、そのことには全面的に賛成するけれども、だからと言って、例えば最初から短い納期で到底間に合いそうも無い事業を受けざるを得なかったとすると、サーバーは何週間でも徹夜をしてでもやるのが当たり前であるという言外の雰囲気を日本では感じることがある。気のせいだろうか。戦争であるならそういう状況もあるかもしれないが、平和な文明の時代の実業にあっては、そのような状況をお互いに回避することがすなわちマネジメントであると思う。こういう意味での「お客様は神様です」という空気がもし日本にいつまでも残るとなると、それは日本にとって良くないのではないかと思う。