お客様はどこまで神様か

金 旧暦 12月4日 先負 己亥 九紫火星 Frej Freja V4 24090日目

反社会的消費者が増えてゐると言ふ記事を日本経済新聞で読んだ。買った商品が不良品だったことに腹を立てて土下座を強要する事件があったさうである。さういふ人は外国へ行って買ひ物をして不良品に気づいた時もその国の店員に土下座を強要するだらうか。できないと思ふ。外国へ行ってやれないことは日本国内でもやってはいけないと思ふ。「お客様は神様です」と言ふ科白に僕はかねてから違和感を持って来た。少なくともその言葉の真意は消費者の立場で発すべきものでは無い。病院で患者のことを患者様と呼ぶことにも強い違和感がある。あらゆる取引で、「金を払ふのは俺の方だぞ」と言ふ意識を持ってしまっては、健全な取引はできない。物やサービスの適正な対価として交換にお金を払ふのであるから、そこには力の上下など本来無いのである。記事を読んで、企業のコールセンター社員もなかなか大変な仕事だと思った。店員もまた一人の人間であることを忘れて電話に向かって好き放題にウサを晴らしてはいけないと思ふ。文句を言ふ消費者の年代構成を調べると、60代以上が圧倒的に多いとも書いてあった。耳順の世代である。僕もその年代に属するわけだが、高齢になって年金を貰ふ生活になったら身を引いて少しづつ謙虚にならないといけないと思ふ。