大飯発電所の再起動

月 旧暦 5月13日 大安 甲子 九紫火星 Rosa Rosita V27 231535日目

大飯発電所3号機が再起動された。国内のすべての原子力発電所が停止した状態は2か月で終わった。原子力の再稼働に反対する人たちは多い。放射能のゆえに福島で故郷を追われた人たちのことを思うと原発はもうたくさんだ、という気持ちも分からないではない。しかし、長期的な目で冷静に日本のエネルギーの将来を展望すれば、やはり、色々な種類の電源を多様に確保しておくことは重要と思う。そして、原子力はやはりその中の重要な一翼を担っていると思う。原子力という技術はどんな国でもできる技術ではない。その国に革命が起こって、それまでの政治家が亡命するようなことが起こり得る国には、原子力は適さない。そういうことを思うと、原子力は、その国の技術、経済、政治などの総力として可能なエネルギーの形態である。福島を体験したとはいえ、日本が原子力をマネジできなかったら、よその国の多くでは心もとないのではないかという懸念もある。電力需要のピークを過ぎたら原子力を止めよという人もいる。しかし、原子力プラントというのは一定負荷で運転してなるべくその状態を変化させない方がより安全である。基底負荷の一定分を常に原子力でまかなう、というのが一番安全な方法であると思う。日本の人口がうんと減ればまた話は別かもしれないが、これから先、長い年月のうちにはエネルギーの安定供給のためには原子力から撤退することが結局は非現実的な選択であることを人は認めざるを得なくなるのではないか。ただその時になって、叩かれ続けた果てに、原子力の技術を継承できる人たちはもうどこかへ行ってしまって、これまでとは別の意味で原子力安全が脅かされる状況になるのではないかということが僕の心配である。