怒りについて(4)

火 旧暦1月2日 友引 甲申 三碧木星 Erika V04 22995日目

徳川家康は「怒りは敵と思え」と言った。怒りは確かに負の要素を持つ感情には違いないが、それをバネにすることで正の要素に転ずることもありえるのではないかと思う。ただ怒りを遠ざけるだけでなくて、良い方向へ転換させる工夫を考えるのも意味あると思う。夏目漱石の「文学論」の序を読むと激しい怒りが行間に沈潜しているのが分かる。しかし、その怒りこそは漱石の文筆活動の源泉ではなかっただろうか。紫式部藤原道長との確執の果てに「源氏物語」を書いたのかもしれない。ベートーベンの「歓喜の歌」には、苦難のあとを髣髴とさせるものがある。忙しい現代人は誰も皆、心がすさんでいらいらしているように見える。だが、そこにたまった怒りを別の形で発散させることが出来れば社会はもっと良くなるんじゃないかと思う。