怒りについて(3)

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高校1年の時の現代国語の教科書に、「美和子と明彦」という題の日記文が載っていたのを、何故かそこだけぼんやり覚えている。著者は木村素衛である。美和子という柔らかい心の娘が、強い個性の兄弟の間で忍耐している。余りものを、私はこれでいいのと受け入れるようなところがあるので兄弟げんかにならない。けれども、あまり耐えてばかりいるものだから、時々、爆発したように怒ることがあって、そうなると手に負えない、というような内容であったと思う。普段から耐えに耐えて、怒ることの無かった人がいよいよ怒った時の恐ろしさは格別ではないかと思う。高校時代、そのことに共鳴したからあの日記文を覚えているのかもしれない。人格者は怒らないものかもしれないが、普段からあまりにも耐えてばかりいる暮らしは、良いのか悪いのか分からない。