日曜日の朝

日 旧暦5月11日 先負 戊戌 二黒土星 Eskil Pingstdagen V23 22768日目

朝の入浴と食事を終えて部屋に戻ってテレビをつけると、「題名のない音楽会」をやっている。佐渡裕指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団武満徹の曲をやっていた。しばらくテレビの前に腰をおろした。見ると佐渡さんが振るベルリン・フィル定期公演のデビュー音楽会である。曲名は "From me flows what you call time" というものであった。単に "Time flows from me" と言わないところになんだか文学的な感じがある。大岡信連詩「揺れる鏡の夜明け」の一節から引かれているらしい。5つの打楽器とオーケストラのための曲で、カナダの5人組打楽器アンサンブルNexusのために作曲され、カーネギーホールの100周年記念で演奏された曲であると紹介があった。5という数字が鍵になっていて、5人の打楽器奏者が身に着ける服の色も楽譜に指示してあるそうである。凝っている。色は水(青), 火 (赤), 大地 (黄色), 風 (緑), 空 (白)を表している。万物の物質的原因は何かという哲学的問いかけさえ思い起こさせるようだ。聞いた感じは、水の音のような、宇宙の音のような、幻想的というか、瞑想する高僧を思わせるような、東洋的な響きがあった。それでいて、"The promissed land" なんていう中東を思わせる曲も含まれている。宇宙の創成、太初、生命のはじまりというものに、もし音があったとするなら、必ずそれは打楽器で表される音に違いない、というようなことを思った。