脱原発は可能か

水 旧暦4月30日 先負 丁亥 九紫火星 Gun, Gunnel V22 22758日目

チェルノブイリの事故があってから、原子力をやめようと決心した国がある。スウェーデンである。けれどもその決心通りに2010年までに原子力をフェイズアウトすることはできなかった。あの優秀な民族をもってしてもその間に脱原発の技術を完成させることは出来なかったのである。そうして、やはり原子力に回帰しようではないかというムードに包まれた矢先に、今度は福島の事故が起きた。今度はドイツがいち早く脱原発の政策を発表した。チェルノブイリから25年が過ぎていて、この間に自然エネルギーの利用技術が進んだから、その普及はスウェーデンの場合よりも着実に進むであろうと思う。それでも、完全な脱原発まで進めることが出来るかどうかははなはだ疑問である。日本でも自然エネルギーの普及はむろん大事な課題であるが、脱原発まではできないと思う。およそ、脱原発は一国が勇んで決めても駄目で、世界中が足並みをそろえることが大事である。よその国はどうあろうとも、ひとり私の国だけは模範的になりたいという願望は罪深い。それでは本当に社会のためにならない。新興諸国の原子力建設の流れを阻止できない以上、自分たちもまた進んでその恩恵を被り、これまでに蓄積された技術を生かし、今回の体験も生かして、さらに高い安全の基準を提案していくことの方がよほど世界のため、社会のためになると思う。