進退両難

火 旧暦4月29日 友引 丙戌 八白土星 Petronella, Pernilla V22 22757日目

先の福島での事故以来、世界的に原子力に頼らないエネルギーを目指そうという流れが強くなっている。ドイツでもそのような方針が打ち出された。無理もないと思う反面で、電源は多くの違った種類の資源から得られるようにしておいた方が良いと思う。今回の事件がもたらしたいっときの嘆きから、国民が皆、この先ずっといつまでも節電生活を守っていくとは僕には到底思えない。電気は必ず足りなくなる。安定した電源の確保は僕らの文明社会の存続のための大きな課題である。人は原子力推進か反対かを、まるで鉛筆でも倒すようにその時の雰囲気でいとも簡単に口にするけれども、原子力のような巨大システムは、一度解散した後では、何年かしてまた再開しようとしても、もはやその時には始められるものではない。これまでに長年にわたって培われてきた技術を連続的に未来に継承していくためには、それなりの組織と人材とを毎年維持しなければならない。人々が原子力を目の敵のようにみなしていては、そのような業界に優秀な人材を送ることもできなくなり、いきおい、技術は先細りになる。本当にやめるならもう二度とここには戻って来ない覚悟でやめなければならないし、続けるならどーんと先まで徹底的にジャンプする決心がいる。自身が恩恵を受けながら反対意見に迎合して中途半端なところでお茶を濁すような態度が一番技術を危なくする。