茶々の恋

月 旧暦4月28日 先勝 乙酉 七赤金星 Vera, Veronika V22 22756日目

NHK大河ドラマ「江」の昨日の放送は「茶々の恋」というタイトルであった。長いドラマの中のひとつの盛り上がりであろうと思う。茶々がどんな思いで秀吉の側室となったかは、現代の僕らには知る由もないが、ドラマの展開としては面白いと思った。そもそも明治より以前の日本史というのはすなわち男と女の歴史であると思う。例えば、白河法皇があれほどまでにいろごのみであらせられなかったら、保元の乱平治の乱へ至ることはなかったのではないかと思う。そうすれば、武家政治の出現はもっと違った形で現れたろう。また、平清盛が敵将義朝の愛妾、常盤御前に手をつけずにおれば、源氏の逆転はなかったに違いないと僕は思っている。さらに秀吉も茶々に執心しなければ、あるいは徳川時代は来なかったかもしれない。このように、昔は、男の間違いーそれを間違いとよぶことに抵抗はあるけれどもーが、歴史のうねりのきっかけを作ってきた。それに比べると、現代は恋が世の中を動かすことのない不幸な時代である。物語の中の恋は美しいが、新聞記事に現れる男女のことはいつもスキャンダルに満ちて醜い。憧れと憂い。期待と裏切り。人の世の聖と俗とはどうしてこんなに一重の紙の表裏をなすようにできているのだろう。