内閣不信任案

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管内閣の不信任案が否決された。ほっとしたような心持がした。僕らが小さかったころは一国の指導グループに対して不信任案が出るなどとはよほどのことであると信じられていた。それは自分たちの社会が民主国家であるための最後の安全装置のようなものである。わがままな人間が現れて政府が私有化されないための装置であると言ってもよい。滅多に起こらないはずのことがこの頃はよく起きる。管首相は、指導能力の優劣は別にして、公私混同しているようにも見えないから、不信任案の提出にはあたらないと僕は思っていた。もしそれが可決されたりすると、諸外国の日本を見る目が変わり、日本の評価が間違いなく下がる。震災復旧の困難に加え、政治の不安定とあっては、低迷の度合いを深めるばかりである。国が亡びるのは外からの攻撃によるとは限らない。内側のもめごとによって滅びる場合の方が多い。不信任案を提出する者たちの顔ぶれを見ても、なるほど、この人なら変わってもらえば、社会が良くなるだろうと期待できるようなものは一人もいない。実に民主主義のありがたいところは、たとえ蒙昧な指導者をいただいても、多数の平均的なバランス感覚によって社会が変な所へ落ちていかない仕組みにあると思う。