ウクライナ

火 旧暦 1月26日 友引 丁卯 一白水星 Sigvard Sivert V9 23757日目

ロシアのソチで行はれた冬のオリンピックは無事に終わった。だが、地図を眺めるとその会場からさほど離れてゐないウクライナからは、これまであまり穏やかでないニュースが、オリンピックの華やかな報道の陰に隠れる様に流れてゐた。ウクライナの中でロシア寄りの勢力とEU寄りの勢力とが激しくぶつかってゐる様なのである。あの国にはチェルノブイリの後始末と言ふ重い課題が残されてゐるので、ロシアの援助が無ければ経済的にも苦しいのではないだらうかと、素人的発想かもしれないが、僕は思ふ。EUが版図を広げれば広げるほどEU自身の経済的安定性を欠くおそれがあるのではないかとも思ふ。高福祉社会のイメージが強いスウェーデンの僕の住む町でも、中心部の通りの隅に、お金を恵んで下さい、と訴へる人が毎日座り込む様になったのは、EUに加盟して人の出入りが自由になってからのことである。それを思ふとEUはこれ以上版図を広げるべきではないとも思ふ。福島の原発事故の後始末は、何年かからうと、日本人は自分たちの責任に於いて処理して行くと思ふ。チェルノブイリの場合は、事故発生当時は旧ソ連に属してゐたが、国が崩壊したので今はウクライナに属してゐる。もしもそのウクライナも分裂する様なことがあったら、一体誰が、事故の後始末の続きを、真剣に自分たちの課題としてこの先心配することになるのだらうか。