氷上のチェルノブイリ

2019-08-26 (月)(令和元年己亥)<旧暦 7 月 26 日>(友引 乙未 八白土星) Östen 第 35週 第 25764 日

 

8月8日といへば、日本人にとっては広島と長崎の中間日である。ソ連が参戦した前日でもある。今年のその日にロシアは北部の軍施設で原子力推進式ミサイルを実験し、5人が爆死する事件があった。最近は北朝鮮が繰り返しミサイルを撃つので、この種の事件が報道されてもあまり反応しなくなってしまったが、看過できない重大事故であると思ふ。放射能レベルが急上昇したことも報じられたが、その実態はベールに包まれてゐる。ユーラシア大陸の広い範囲に飛散した恐れもあるのに、実際のところどうなのかわからない。そんな状況の中であるのに、ロシアは24日には北極海の潜水艦からミサイルの発射実験をした。さらに、軍事設備ではないが、浮体式洋上原子力発電所「アカデミック・ロモノソフ」を23日にムルマンスクから出航させた。これは、全長144m、幅30m、排水量 21 500トンの船で、小型原子炉2基を搭載してゐる。船自体は駆動エンジンを持たないので、2隻のタグボートと1隻の救助用ボートで曳航される。発電出力は 70MW とされてゐる。北極海を陸沿ひに航海し、向かふ先は、シベリア極東の北極海に面したぺヴェクである。素人目にも危ない航海ではないかと思ふ。すでに「氷上のチェルノブイリ」とか、「核のタイタニック」とか呼ばれてゐる。去年の秋、関空で台風を退避したタンカーが強風を受けて連絡橋に衝突して被害を出した。似た様なことが起きた時、対処できないのではないか。事故のリスクは大きい。船が沈めば隔離できない。かねてからロシアは原子力で重大事故を起こしてゐるのに、放射能漏洩に対してあまりにも杜撰で無神経で無責任ではないかと思ふ。原子力はますます危ない技術にされてしまふ。放っておけばいつかひどい目にあふと思ふ。ことは地球規模の問題だ。自業自得でロシア自身がひどい目にあふのは仕方がないが、巻き添へはごめんだ。ロシアのエゴでこれ以上地球を汚されてはかなはない。北極海はもう既に相当に汚染されてゐるのではないかと、心配である。(参考にした新聞記事は「日本経済新聞 2019-08-22 ヨーロッパ FT」 および「Ny Teknik 2016-08-26」)

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キノコを見かける季節になった。