食後のデザート

水 旧暦 12月16日 先負 甲戌 二黒土星 Henrik V3 22623日目

今週のランチはスウェーデン人ふたりと僕と合わせて三人で食べている。仕事場近くのファミリーレストランへ行く。食べている最中にそのひとりが「今日は僕の誕生日だ」と言った。「日本ではね、髭を生やした大男が誕生日のお祝い会をやることは無いんだよ」「子供ならやるのだろう」「そうだね」「いくつくらいまでやるんだ」「十歳くらいかな」こんな会話の後で、突然彼は「今日は僕がデザートをおごろう」と言い出した。スウェーデンではお茶の時間に誕生日を迎えた人がケーキを持って来てみんなに食べてもらうことが慣わしになっている。彼はそれができないので、その代わりにランチタイムにデザートを僕達におごってやろうと言い出したのである。僕は血糖値のことが気になったから断わろうかと思ったが、せっかく言ってくれているのを断わるのも無粋な気がして、というのは表向きの理由であって、本当は無性に食べてみたい気がおこったので、「そうか、ありがとう」と言って、ウエイトレスにもう一度注文を取りに来てもらった。こうして、真面目な三人男は満腹の後で苺パフェやら、チーズケーキやらをぱくついた。それを見たウエイトレスが一瞬変な笑いを口元に浮かべたような気がした。それから空にみぞれの残る中を歩いて仕事場に戻った。