引越粥

土 旧暦 6月13日 赤口 丁亥 四緑木星 Margareta Greta V29

今週は同居人の夏休みの週であった。いつもお世話になっている人をたまには家にお呼びしようということで、昨日と今日と二日連続で同居人の手料理で人をおもてなしした。僕はお料理が出来ないので、こういうことになるとさっぱり役に立たない。ただお相伴にあずかって、同居人の作ってくれたものを口に運びながら皆さんの雑談に耳を傾けるばかりである。雑談の中で、日本では宅配サービスが充実していると言う話をしたら、似たようなシステムは最近ストックホルムにもあるよと教えてくれた。その話から引越の話になった。昔は引越と言えば友達が手伝いにきてくれて一緒に楽しくやったものであるが、いつからか、引越業者に任せることが一般になった。それは日本でもそうだし、スウェーデンでもそうだねということであった。スウェーデンには昔は引越粥というものがあったのだよというので、日本には引越蕎麦というものがあったよ、と応じた。似てるねえ、ということで話は終わったのだが、後で調べると、日本にも引越蕎麦の風習の始まるまでは引越粥があったそうである。スウェーデンの場合はお粥といっても、オートミールのようなものであるけれども、引越と食べ物の組み合わせが一致するのは興味深い。だが、この二つの国の風習はすごく良く似ているようで、決定的に違うことがある。それは、スウェーデンの場合は、引越の時には食べ物の用意をするのも大変だろうと言って、引越した先の近所の人が引越した本人にサービスしてくれるのに対して、日本では、引越して来た本人がご近所にお世話になりますと言って蕎麦を配るのである。どちらの国でも今はもう廃れた風習であるけれども。そういえば、自分の誕生日には誰か他の人がケーキでお祝いしてくれるのかと思ったら、僕の誕生日だからみんな食べてくれと言って、本人が周囲に対してケーキを出す風習があるのも、こちらに来て最初の頃は意外な心持ちがしたものだった。